結婚
あと3ヶ月で30歳になる。まわりの友人はどんどん結婚していき、懐妊のれんらくも頻繁に入るようになった。ご祝儀貧乏から出産祝い貧乏へ。子供が生まれるごとに贈るから、3人目ともなると何を贈っていいのか分からなくなる。
これまでは結婚の「け」の字も口にしなかった両親でさえ、遠回しに探りを入れてくるようになった。兄が二人の末っ子長女。小さい頃から父にも母にも甘やかされ、結婚なんてしないでくれと言われていたのに。
人並みに恋愛はしてきた。でも「この人と結婚して一生一緒に暮らしたい」と思えたことはなかった。一生一緒に暮らせると自信を持てた事もない。これはその人を愛していないということなのだろうか…本当の恋愛をしているとは言えないのだろうか…。
25歳の時、少し冗談っぽい言い方だったけど、付き合っている男性から「結婚しようか」と言われた事がある。それまでにも子供は何人欲しいとか、マンションを買った方が経済的なんじゃないかとか、二人の結婚へ向けた将来を匂わせる会話はあった。でも「結婚しようか」という現実的な言葉を聞いて、私は怖くなってしまった。彼の事は好きだし、一緒にいて楽しい。でもいつか嫌われるかもしれない、いつか嫌いになるかもしれない、そう思うと「酔ってるでしょう」とごまかすしかなかった。その後も付き合いは続いたが、お互いの仕事が忙しくなったことを理由に会う機会が徐々に減っていった。
それから5年近くが経つ。人を好きになり付き合ったりもした。でも結婚をしたいとは思えなかった。焦りはあるし、結婚して幸せそうに暮らす友人を羨ましいとも思う。子供も欲しいし、両親を安心させてあげたい。
日本女性の生涯未婚率は現在10人に1人。その1人に私がなってもおかしくはない。今の私にできること。一人でも生きていけるように貯金をすること、一人でも死んでいけるように手厚い補償の保険に加入する事。そして三十路女の手練手管と厚顔無恥さでいろんな男性と向き合う事!29歳ある日の30歳に向けてのつぶやき。